WineでAviUtl/Softalkを使うには

※主に自分用の覚書として作ったもので、こんなん真似する人いるとも思えないので雑まとめです。わかんなかったら私にDM送るかマシュマロで聞いてください。
あと試すにはある程度のコマンドラインの知識が必要です。

Wineってなんぞや

WindowsソフトウェアをLinuxやMac, Solaris, BSD等の上で動作させるための互換レイヤです。
AviUtlやSoftalkといったソフトウェアはWindows用ですが、この方法で動作する可能性があります。必ず動くわけではありません。
その性質上、Windowsでは起こらない不具合を誘発する可能性があります。また、Aviutl、Softalk、x264guiex等々といったそれぞれのソフトウェアの開発者さんはWineでの動作を想定していないと思われますので、そちらへの不具合報告や問い合わせは避けるのが良いと思います。

Wineのインストール方法

Ubuntu 21.10の場合:
Ubuntuが提供するwine-developmentのパッケージバージョンが6.0系のため、SofTalkが動作しない模様です。
wineパッケージ(5.0.3)を使う方法もありますが、そちらではAVIUtlを終了時に応答なしとなる不具合を確認しています。
したがって、Wineの開発元(WINEHQ)が配布するパッケージを用いて、Wine6.20をインストールする方法を紹介します。(以下コマンドを上から順番に実行)
$ sudo dpkg --add-architecture i386
$ wget -nc https://dl.winehq.org/wine-builds/winehq.key
$ sudo apt-key add winehq.key
$ sudo add-apt-repository 'deb https://dl.winehq.org/wine-builds/ubuntu/ impish main'
$ sudo apt update
$ sudo apt install --install-recommends winehq-devel winetricks

参考:Ubuntu - WineHQ Wiki

Ubuntu(21.04以前)の場合:
wine-stable、wine、wine-developmentという3つのバージョンが使えますが、20.04現在でwine-stable/wineの版ではSoftalkが正常動作しません。
なので、基本的にはwine-developmentを使用することになります。
インストールは下記コマンドを実行するだけです。(y/n)?と聞かれたら、内容に問題ない場合はyをタイプして進めてください。
$ sudo apt install wine-development winetricks
うp主はUbuntuでしか試してないので、Debian/LMDEではパッケージ名が違うかも知れません。

その他のLinux/BSDディストロの場合
各ディストリビューションの採用しているパッケージマネージャで、上記に該当するパッケージを探して突っ込んでください。

MacOSの場合
Catalina以降は正式サポートされていませんが、動きはするようです。
私は試していませんがここ参照。かなり複雑な手順になります。
(あとゆっくり音声を出すだけなら、MYukkuriVoiceを使ったほうが圧倒的に楽だと思うし、動画編集ソフトも無料にこだわらなければ色々あるのでAviutlを無理に動かす必要性が無いと思います)

以下Ubuntuを前提に記述します。

動かすまでの手順

※別途SoftalkとAviutl、拡張編集のファイルを好きな場所に展開しておいてください。
①winetricksを起動。Select the default wineprefix→Delete ALL DATA〜を選択して、Yesを選んでデフォルトで作られている64bit wine環境を消します。

②端末エミュレータからWINEARCH=win32 winecfgを入力して実行します。暫く待ち、Wine 設定が表示されます。

③アプリケーションタブを開き、既定の"Windows バージョン:"をXPに変更するか、「アプリケーションを追加」からSoftalkの実行ファイルを指定して、Windows XP相当で動作するように設定します。(この手順があるので、SoftalkがXP対応をやめたら動かなくなると思います。)

④再びWinetricksで、Select the default wineprefix→Install a Windows dll or componentを選択して、dotnet40にチェックを入れてOKをクリック(インストール)。.NETのインストーラが起動するので、指示のとおりに進める。
なお、dotnet45を入れてしまうと動かないので注意。

⑤日本語が文字化けしている場合は再度Winetricksを開き、Select the default wineprefix→Install a font→"ipamona"と"fakejapanese_ipamona"を選択してインストール。

⑥ここまでやれば、ひとまずAviUtlとSoftalkが動作するはず

起動はプログラムのあるフォルダで"wine start **.exe"とすればok。menulibre等のソフトウェアを使ってランチャーに追加してしまうのも吉。

参考:Ubuntu 18.04でSofTalk(.NET版)を使用する方法

それでも動かない時

動作確認されてるわけでも誰かがサポートしてるわけでもないので、基本的に動かない時は動かないです。
それでも悪あがきしたい場合は、下記の事項を試してください。
・Wineのバージョンを変えてみる
新しいバージョンだから逆に動かないってこともあります。
・コマンドラインオプションになんかつける←Wine6.20では起動に必須?
理由わかんないんですが、Softalkの起動時に "Wine start Softalk.exe"の後ろに適当な日本語の文字列をつけたら起動するようになったことがあります。
Menulibre(メニューエディタ)[外部リンク]を使用して、起動アイコンを手動で作成するのがおすすめです。
・Winapps(Linux)、Parallels Desktop(Mac)を一応検討する。
Wineとは違い、Windowsそのものを仮想環境で動かすので100パーセント動作すると思われますが、重い上前者はWin10のPro版のライセンスが必要なので非常にコスパ悪いです。

エンコード

AviUtl本体と拡張編集は正常動作しますが現行版のx264guiexは動きません。
古いバージョンのx264guiexを入れて使うか、代替になりうるx264vfwを試してください。
※x264vfwはaviutlのプラグインではないので、AVI出力→ビデオ圧縮から選択して使います。あとエンコード用のプリセットは入ってませんので、x264guiexほどわかりやすいソフトではないです。